招かれざる客たちの哀しさ
東シナ海を取り囲む日本の南西諸島の海岸には、ありとあらゆる漂流物が打ち上げられている。
みな傷ついて。巨大な発砲スチロールの固まり、大小の浮き球、ペットボトル、缶、プラスチック、、。
漂着物は海岸の網に運悪く拿捕されたかのように、砂浜や岩陰にじっとしている。
来たかったわけではないと、ふてくされて黙秘しているものもいれば、
仲間がまだ何倍も海に漂っていることを知っていて、すまなそうな表情で固まっているものもいる。
ある時、漂着物が動き出した。あるものは開き直って厚化粧して踊りだし、
あるものはちゃっかりと島の石に化けたり、仮面をつけたりして、それぞれ出自や身分をごまかそう、
忘れようと、カブいてみたのだ。おれたちに罪はないと言いたげに。
芝居がかった祝宴を催してはいるが、素性はバレバレで、
どこか哀しい。物言わぬ招かれざる客たちの悲哀が聞こえる。
「沈黙の春」のような無言の告発となって。
与論島在住造形作家 長崎 歳
「かなしゃ」の発行人である島のイタリアンレストラン「アマン」のオーナーであり、シェフの長崎歳さんは彫刻家でもあります。その歳さんが久しぶりに展覧会をされます。場所は島にあるホテル「ヨロン島ビレッジ」の敷地内。
会期は一年間の予定です。野外なのでいつでもご覧いただけます。島の植物と歳さんの作品が一体になって独特な見た事のないような空間が今広がっています。その自由な精神とヨーロッパを拠点にされていただけあって、ここはどこの国って不思議な世界。(これ私の感想ですが)
島んちゅの方はもちろん旅人(たびんちゅ)の方も歳さんの作品をぜひ見にいらしてくださいね。
もとくにこ
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